オーラルたばこをめぐる課題と歯科界の役割について意見交換を行いました

お知らせ

公益財団法人国際医療財団では、公益事業3「愛情卒煙推進キャンペーン事業」の一環として、オーラルたばこ(無煙たばこ・ニコチンパウチ)をめぐる国内外の動向、健康への影響および歯科界が果たすべき役割について意見交換を行いました。

今回の会合では、日本学術会議が2005年に公表した報告と2013年の提言を振り返り、近年国内で流通している口腔内使用型ニコチン製品への対応について検討しました。

日本学術会議の報告・提言と無煙たばこ対策

2005年の報告では、ガムたばこを対象として、市場導入前に科学的な健康影響評価を行う必要性が示されました。

2013年の提言では、対象が無煙たばこ全般へ広がり、健康影響に関する情報提供や販売規制などを含む、より包括的な対策が提案されました。

会合では、製品の形態が変化した場合でも、市場への導入前に科学的な評価を行うという基本的な考え方は重要であり、ニコチンパウチなどの新たな口腔内使用型製品についても慎重な検討が必要であるとの認識を共有しました。

ニコチンパウチをめぐる制度上の課題

ニコチンパウチは、上唇と歯肉の間などに袋状の製品を挟み、口腔粘膜からニコチンを摂取するものです。燃焼を伴わないため煙や臭いが発生しにくい一方、ニコチン依存や口腔粘膜への影響が懸念されています。

会合では、製品の所管や販売前の確認体制、海外における規制の動向について情報を共有しました。

また、「煙が出ない」という特徴だけで安全と判断することはできず、機械的な刺激や口腔粘膜の変化など、口腔内で使用する製品特有の影響を継続して確認する必要があるとの意見が出されました。

歯科界からの啓発活動

歯科医療関係者が、オーラルたばこを「買わない・勧めない」という立場を明確にし、患者や市民に正確な情報を伝えることの重要性を確認しました。

啓発活動の一つとして、歯科医院の待合室などで掲示するポスター案についても検討しました。今後、関係者による内容の確認を行い、学会や講演活動などを通じた情報発信につなげていく予定です。

なお、啓発資料に口腔がんや前がん病変の写真を使用する場合は、医学的な正確性とともに、閲覧者への配慮や適切な説明が必要であることも確認しました。

禁煙支援における歯科医師・歯科衛生士の役割

喫煙は単なる生活習慣ではなく、ニコチン依存を伴う問題です。紙巻きたばこ、加熱式たばこ、無煙たばこなど、製品の形態にかかわらず、患者の使用状況を把握し、必要な情報提供と禁煙支援につなげることが求められます。

歯科診療では、口腔粘膜や歯肉の変化を継続的に確認できるという特徴があります。すべての患者について喫煙歴や新しい形態のたばこ製品の使用状況を確認し、長期的な口腔管理の中で禁煙を支援することが重要です。

また、歯科衛生士教育に禁煙支援やオーラルたばこに関する内容を取り入れること、歯科における禁煙指導の評価を検討することなどが、中長期的な課題として挙げられました。

若い世代に伝えるために

若い世代に対しては、将来の発がんリスクだけでなく、歯肉や口腔粘膜に生じ得る身近で具体的な変化を分かりやすく伝える必要があります。

ニコチン依存が形成される前に「試さない」ことの重要性を伝え、好奇心や周囲からの影響など、使用を始めるきっかけに応じた情報提供を行うことが大切です。

SNSを含む多様な媒体を通じて製品情報が広がる中、歯科界からも、医学的根拠に基づく短く明確なメッセージを発信していく必要があります。

今後に向けて

公益財団法人国際医療財団では、公益事業3「愛情卒煙推進キャンペーン事業」として、喫煙と口腔疾患の関係に関する啓発に取り組んでいます。

今後も関係学会や歯科医療関係者と連携し、オーラルたばこを含む各種たばこ製品について、科学的知見に基づいた情報発信と卒煙支援を進めてまいります。

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2026年9月7日

Posted by izumi